この記事の信頼性
- 筆者は京大院卒で10年間の社会人経験がある男性です。
- キャリアカウンセラーの資格を持っています。
- 会社を退職した経験があります。
退職代行を利用することの倫理的な側面や、社会的な評価に関心がある
退職代行を利用しても大丈夫だろうか・・・
この疑問を解決できる記事を用意しました。
この記事で紹介する「退職代行を使ったらクズ?」を読めば、退職代行の倫理的な側面や、社会的な評価が分かりますよ。
記事前半では「退職代行を使ってもクズではない理由」を、記事後半では「退職代行がクズと言われる理由」を解説するのでじっくり読んでくださいね。
目次は次の通りです。
・退職代行を使ったらクズ?
退職代行を使う人は、決してクズではありません。
退職代行は、現在多くの人に利用され、正式なサービスです。
もちろん、退職代行は違法ではありません。
・退職代行を使ってもクズではない理由
退職代行を使ってもクズではない理由は下記。
- 精神的に追い込まれている場合は退職代行の利用は正当な理由になるから
- 無断欠勤での退職よりましだから
- 会社が悪い場合もあるから
1つずつ解説します。
・精神的に追い込まれている場合は退職代行の利用は正当な理由になるから
仕事で精神的に追い込まれている方にとって、退職代行は救いの手段です。
直接上司に辞意を伝えるのが難しいと感じることもありますよね。
その場合、退職代行を利用することで、あなたの代わりにプロが手続きを進めてくれます。
これにより、精神的な負担が大幅に軽減されるのです。
心の健康を最優先に考えることは、とても大切なことです。
退職代行を利用することは、あなた自身を守るための正当な理由となります。
・無断欠勤での退職よりましだから
仕事を無断欠勤してしまうことを考えたことはありませんか?
ストレスや疲れから突然職場に行きたくなくなることもでしょう。
しかし、無断欠勤は職場に大きな迷惑をかけ、社会的な信用を失う行為です。
その点、退職代行を利用することは、無断欠勤よりも遥かに誠実な方法です。
退職代行は、正式な手続きを踏んで職場を去る手助けをしてくれます。
無断欠勤は一時的な逃げにすぎませんが、退職代行は将来を見据えた賢明な選択です。
・会社が悪い場合もあるから
職場に問題があると感じている方もいるでしょう。
例えば、ブラック企業で働いている場合、長時間労働やパワハラが日常的に行われていることもあります。
そんな状況で退職を考えるのは当然です。
しかし、上司に辞意を伝えても引き留められたり、嫌がらせを受けたりすることがあるかもしれません。
そこで、退職代行が役立ちます。
退職代行を利用することで、会社との直接的なやり取りを避けつつ、スムーズに退職手続きを進めることができます。
会社に問題がある場合、退職代行はあなたの権利を守り、適切な対応をしてくれる頼もしい味方です。
・退職代行がクズと言われる理由
退職代行がクズと言われる理由は下記。
- 退職時に挨拶がないことを非常識だと感じる人もいるから
- 突然辞めることで上司や同僚に迷惑がかかるから
1つずつ解説します。
・退職時に挨拶がないことを非常識だと感じる人もいるから
退職時に直接挨拶がないことを非常識だと感じる人もいるのをご存じでしょうか?
日本の職場文化では、退職時に感謝の気持ちを込めた挨拶が重要視されることが多いです。
退職代行を使うと、直接顔を合わせてお礼を言う機会がなくなるため、同僚や上司に冷たい印象を与えてしまうかもしれません。
これが「非常識」と感じられ、退職代行を使う人に対して否定的な意見を持つ人がいる理由の1つです。
しかし、退職代行を使わざるを得ない事情がある場合もあります。
もし、お世話になった同僚がいるなら、後から個別に連絡を入れるだけで気持ちが楽になるかもしれません。
・突然辞めることで上司や同僚に迷惑がかかるから
退職代行を使うと、突然辞めることになるため、上司や同僚に迷惑がかかるのではないかと心配ですよね。
確かに、急にいなくなることで、業務の引き継ぎができず、残された同僚たちがその分の仕事を引き受けることになります。
また、上司も急な人手不足に対応しなければならず、負担が増えることも避けられません。
だからこそ、退職代行を使う前に、できるだけ計画的に辞める準備を進めることが重要です。
職場での迷惑を最小限に抑えるために、引継ぎ資料を作成するなど対応が取れます。
・退職代行を使ったほうがよいケース
退職代行を使った方がよいケースは下記。
- 強引な引き留めで自分で辞めるのが難しい
- ブラックな会社で退職を伝えても受け入れてもらえない
- 有給消化や退職金をもらって辞めたい
- 未払い給与や残業代をもらって辞めたい
1つずつ解説します。
・強引な引き留めで自分で辞めるのが難しい
退職を決意したのに、上司や同僚からの強引な引き留めにあったことはありませんか?
「もう少し頑張って」とか「今辞められたら困る」といった言葉で心を揺さぶられることもありますよね。
しかし、退職するのは労働者に与えられた権利です。
退職に関して、民法では次のように定められています。
(期間の定めのない雇用の解約の申し入れ)
引用:民法第627条 e-Gov
第六百二十七条 当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
このように、会社員が会社に2週間前に退職を伝えていれば、辞めることができます。
退職代行を使えば、民法に従って実質即日で退職が可能なので安心して任せられます。
・ブラックな会社で退職を伝えても受け入れてもらえない
会社がブラックだと、退職を伝えたときに、上司がそれを受け入れず、強い言葉で引き留められる場合があります。
ブラックな会社の特徴は下記。
- 長時間労働が常態化している
- ハラスメントが蔓延している
- 給与や待遇が低い
- 人材の離職率が高い
- 明確な労働契約がない
- 経営陣の不透明さ
- 社員教育が行われない
そんな時、退職代行を利用することが有効です。
退職代行サービスを利用すれば、専門家があなたの代わりに退職の意思を伝えてくれます。
これにより、上司と直接対峙するストレスを避けることができます。
・有給消化や退職金をもらって辞めたい
有給休暇や退職金をしっかり受け取って辞めたいと思いませんか?
働いた分の権利をしっかり行使することは、あなたの当然の権利です。
しかし、会社によってはこれらの権利をスムーズに認めてくれない場合もあります。
そんな時、退職代行が力を発揮します。
退職代行を利用することで、専門家があなたの代わりに交渉し、有給休暇や退職金を確実に受け取る手続きをしてくれます。
有給消化や退職金の交渉は非弁行為に該当するため、退職代行の選択には注意が必要です。
非弁行為の心配のない、弁護士か労働組合が運営している退職代行を選ぶことで、法律にのっとった対応をしてもらえます。
・未払い給与や残業代をもらって辞めたい
未払いの給与や残業代をきちんともらいたいですよね。
特にブラック企業では、これらの支払いが滞っていることもあります。
そんな時、退職代行サービスを利用するのは有効な方法です。
退職代行を通じて、専門家が会社に対して未払いの給与や残業代を請求し、確実に受け取る手続きを行ってくれます。
未払いの給与や残業代の請求も、非弁行為の心配のない弁護士か労働組合が運営している退職代行を選ぶことで、法律にのっとった対応をしてもらえます。
・退職代行を使わないほうがよいケース
退職代行を使わない方がよいケースは下記。
- 退職代行を使ったことを後悔しそうな場合
- 金銭的に余裕がない場合
- 会社とあなたの生活圏が近く頻繁に同僚に合う場合
1つずつ解説します。
・退職代行を使ったことを後悔しそうな場合
退職代行を使ったことを後悔しそうだと感じたことはありませんか?
例えば、急に辞めることで同僚や上司との関係が悪化し、その後のキャリアに影響を与えるかもしれないと不安になることもありますよね。
もし、後悔しそうだと感じるなら、もう一度冷静に考えてみることをお勧めします。
感謝の気持ちを伝えるためにも、自分で直接話をすることで、後悔を減らせるかもしれません。
決断は慎重に行いましょう。
・金銭的に余裕がない場合
退職代行の費用も考慮する必要があります。
退職代行サービスには一定の費用がかかりますので、金銭的に余裕がない場合は慎重に考える必要があります。
退職代行の料金の相場は下記。
退職代行の料金の相場 | |
民間企業 | 1万円~5万円 |
労働組合 | 2万5千円~3万円 |
弁護士 | 5万円~10万円 |
特に、退職後すぐに収入が見込めない場合、その費用が大きな負担となることもあります。
まずは、自分の経済状況をしっかりと把握し、退職代行を利用するかどうかを決めましょう。
・会社とあなたの生活圏が近く頻繁に同僚に合う場合
会社と自分の生活圏が近く、頻繁に同僚に会う可能性がある場合、退職代行を使うことは避けたほうがよいかもしれません。
退職後も同じ地域で生活していると、スーパーや駅などで元同僚に会うことがあるかもしれません。
その時に、突然の退職に対して気まずい思いをすることもあります。
円満に退職できるよう、できる限り直接話をして退職の意思を伝えることが望ましいです。
関係を良好に保つための努力も大切です。
・退職代行はクズ?世間の反応は?
・退職代行に賛成派の人の意見
精神的に働くことはもう限界だとか、上司が物凄くパワハラ気質でとても退職を言い出せないとか、何度も退職を申し出てるのに全然聞いてくれないなど、かなり深刻な状況であれば退職代行を使う方がいい。
引用:Yahoo!知恵袋
退職代行が流行っているらしいですね。 個人的には、相当ブラックだったり違法行為でもされない限り、普通の退職すべきだろうな~なんて思いますが、正直気持ちは分かります。 依頼して、1週間以内(くらいでしょうか?)にその日から会社へ行かなくてもいいなんて考えたら、ずいぶんと気楽ですよね…。
引用:Yahoo!知恵袋
退職代行に賛成派の人は、「労働環境によっては、退職代行を使わざるおえない」と考えています。
・退職代行に否定派の人の意見
自分の口で退職を告げましょう。 退職代行が流行ってるのでよく耳にしますが、あまりに無責任すぎませんか? 自分できちんとケジメをつけた方がいいです。
引用:Yahoo!知恵袋
退職代行は完全に逃げです。 せめてケジメはつけてから退職するのがいいと思いました。
散々世話になって、仕事の同僚以上の人間付き合いしといて、 退職代行とか使われたら、腹立つでしょうね。可愛がってやったのに、 退職代行使うなんてクズ、ゴミ。って思われても仕方ないですね
引用:Yahoo!知恵袋
退職代行に否定派の人は、「退職は自分で伝えるべきだ」と考えています。
このように考えている人は一定数いるということを知ったうえで、退職代行サービスを利用したらいいと思います。
自身で一度自分で退職を伝えられるか考えてみてください。
退職代行を利用するのは最終手段と考えていいでしょう。
・あなた自身は退職代行を使う人をどう思っている?
そもそも自分は退職代行を使う人をどう思っているのかを知ることも大切です。
例えば、あなたの同僚が会社を辞めた際に、退職代行を利用したと聞いたときに、どう思われるでしょうか。
クズだと思いますか?
「会社がブラックだし、辞めて当然」
「あの○○さんが使うぐらいだから、つらかったんだろうな、自分で伝えることができなかったんだな」
なんて思うかもしれません。
あなたが退職は自分で伝えるべきと思う人だったら、同僚のことを不誠実だと思うかもしれません。
自分の価値観に従って、退職代行を使うか決めればいいですね。
・まとめ「退職代行を使う人はクズ?利用しても大丈夫なのか」
退職代行を使う人は、決してクズではありません。
退職代行は、現在多くの人に利用され、正式なサービスです。
もちろん、退職代行は違法ではありません。
退職代行を使ってもクズではない理由は下記。
- 精神的に追い込まれている場合は退職代行の利用は正当な理由になるから
- 無断欠勤での退職よりましだから
- 会社が悪い場合もあるから
退職代行がクズと言われる理由は下記。
- 退職時に挨拶がないことを非常識だと感じる人もいるから
- 突然辞めることで上司や同僚に迷惑がかかるから
退職代行を使ったほうがよいケースは下記。
- 強引な引き留めで自分で辞めるのが難しい
- ブラックな会社で退職を伝えても受け入れてもらえない
- 有給消化や退職金をもらって辞めたい
- 未払い給与や残業代をもらって辞めたい
退職代行を使わないほうがよいケースは下記。
- 退職代行を使ったことを後悔しそうな場合
- 金銭的に余裕がない場合
- 会社とあなたの生活圏が近く頻繁に同僚に合う場合
Yahoo口コミでは、「労働環境によっては、退職代行を使わざるおえない」という賛成意見と、「退職は自分で伝えるべきだ」という否定意見がありました。
あなた自身は退職代行についてどう思っているか知ることは大切です。
自分の価値観に従って、退職代行を使うか決めればいいですね。
以上、参考になれば幸いです。
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